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音の縦波と横波の正体 〜言葉のトリック
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かつて寺垣スピーカーの寺垣武氏と慶應義塾大学環境情報学部の武藤教授とで、横波についての論争がありました。
《武藤教授の研究》
これは結構あちこちでこれはオカルトだ、とかいう方もいらっしゃり、いろいろ突っ込まれていますが、丸めた下敷きと《オルゴールの実験》でもあるように、それだけインパクトがある内容でした。
スピーカーの振動板からどのように空気中に音が伝わっているのか?という、スピーカーを開発するには最も重要な動作原理が初めて寺垣氏により問題提起され、それに影響された慶応大の武藤教授とで論争が起きたのでしたが、しかし、お互いに自論を展開するに留まり、そう簡単に真実の光に照らされるには至らず、もの別れに終わりました。
しかし、今までこのような音の本質についてオーディオがアカデミックと論議した事は一度もありませんでしたので、この論争が次のスピーカーを開発するためのヒントになるであろうし、論争内容が事実では無かったとしても、論争が存在したことは事実でした。このような元々アカデミックには含まる事はないであろうオーディオ論議が公開のネット上に存在する事は有意義な事でありましょう。
ここでの重要な問題点は、そもそも音とは何かについてで私もずっと?に思っていたのですが、それもそのはず、もともと現在の音の定義自体が結構曖昧で、先ずは音速の定義です。空気中では何キロ、木材では何キロ、鉄では何キロ、水では何キロ、とか言ってますが、これがそもそも混乱の第一歩です。
これを鵜呑みにすると、空気中には確かに音があるので何キロというのは分かります。しかし、物体中の木材とか鉄とか水の中に音はあるのでしょうか?まるであるかの様な表現ですよね?無いものをあるかのように表現しちゃうとオカルト論になります。
水の中で音が出るとこれは確かに人にも聞こえるので音と言えます。しかし、これはおそらく人の体自体を伝わって骨伝道で聞こえる音でしょうが、確かに水の中は音でオッケーです。その証拠に、水の中の音は水の中にいる時に良く聞こえ、顔を出すと水中音は聞こえなくなります。
しかし、音はどんな物体に当たったとしても、吸収か反射してしまうので、物体は音に対しては絶縁体で、音は伝わりません。しかし、物体が振動すると音が出ます。だからと言ってその振動は未だ人には聞こえていないので、音ではなくあくまで振動です。すなわち、物体に伝わる音速とは振動エネルギーが伝わる速さの事なのです。この事は誰でも少し考えれば理解出来る議論の入り込む隙間もない確固たる事実で、何も私の独自論を展開しているわけではありません。
wikiにもしっかり書いてありますね。音速とは「物質自体が振動することで伝わるため、物質の種類により決まる物性値の1種(弾性波伝播速度)である」って、つまり、見方を少し絞ると音は振動として物質に伝わる、って読めますね。これって完全にオカルト文です。前出の通り、物質は音に対しては絶縁体ですのに、この文は物質に音が伝わると読めてしまいます。これじゃあ寺垣氏も勘違いしますね。
「物質自体が振動することで伝わるため、」の主語が「音」だとすると、「音は振動として物質に伝わる」と読めてしまい、これは完全にオカルト文です。正しい文はみなさん考えてください。
ちょっと混乱しますが追加で一言、逆に言うと、物体に伝わる「振動エネルギ」=「力」は音速で伝わるという事になり、この事はトーラスを考える時のヒントにもなります。この事もアカデミックでは何の説明もありませんが、説明が必要になる場面が無いだけで、この事は単なる事実を述べただけの事です。すなわち、物体に力が伝わる速さは音速です。これも、皆さん量子力学でいう力と混同して力に速度なんかない、とか、光の速さとか、言う方もいるでしょうが、物体を伝わる力の速さは音速なのです。
参考サイト→力の伝わる速さ
なお、物体の振動は地震と同じように縦波と横波とがありますが、それが分離して観測されるにはかなり長い距離振動が伝わる必要があり、音を出すような物体、せいぜい1M以内の大きさならば縦波と横波はほとんど同時に発生していて分離して認識はできません。って、当たり前ですね。
以上の様に、もちろん便宜上このような表現にしているのは理解出來ますし、否定するつもりも無いのですが、見方によっては今現在の音の定義自体が曖昧で、あたかもオカルト要素が含まれているかの様な表現とも見える訳なのですから、物体からどのような理屈で空気に音が伝わるのか?スピーカーの振動板からどのような理屈で空気に音が伝わるのか?など音を出す装置を新しく考案する為には絶対に必要であろう、音の真実についての論議は、寺垣氏以前には全く存在していませんでした。
そして、どうも両者共に、物質の横波の振動から音の横波が発生する、と勘違いと混乱をしていた風で、物質の振動がどの様に空気中に伝わっていくのか?についての考え方は、当サイトでは次のように提案しています。
- 物質の縦波の振動で直進波の縦波の音が発生する
- 物質の横波の振動で拡散波の縦波の音が発生する
- 直進波とは、音の進行面が物質の表面の形で直進する音で、進行面が平面の時が平面波となる。
- 拡散波とは、進行面の形が変化しながらが360度方向へ拡散していく音で、進行面が球面の時が球面波となる。
今のスピーカーから出る音は平面波の性質を持っているのですが、実際には進行面が平面ではなく円錐形だから平面波ではありませんので、直進波とします。
すなわち、横波は物質中だけに存在して、空気中は全て縦波である事は一般常識のとおりなのです。
電波の場合は横波のFMはデータを送る事が出来るのですが、音の場合は物質の横波で変調され放出される空気の位相変調音波は人にはその変化が聞き取れないのです。なぜなら耳は粗密波しか理解できないからです。多少の音の方向を聞き分けられるのですが、その感度は大変弱いのです。耳は片耳でも方向を理解できるのですが、ただ聞き分けられるというだけでその感度は大変弱く、音がどこから出ているかを計測するには大変高度な装置が必要なのです。ま、これも一般常識の事実です。
これらが、物質の振動から音が出る仕組みですが、改めてみると、なあんだ、元の両氏の二つの独自論を解決した内容は、わざわざ私が大きな声を上げて言う程の事ではない、音響学の方なら誰でもが知っている単なる一般常識の事実だよねっ、て事なのでした。
音速、縦波、横波、平面波、球面波などの音響学の言葉を安易にオーディオで使うと、以上のような言葉のトリックに引っかかり、訳の分からないオーディオ論が起き得ます。
ま、これがオーディオファンが百人集まれば百通りのオーディオ論が存在する、といういわれの理由なのかもしれませんね。
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スピーカー動作原理の詳細
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音は見えないからなのでしょうか?どの様に振動板から空気に運動が伝わっているのか?については、なかなか的確な説明がありませんでした。この事こそスピーカーを考える時最も重要な事の筈なのに公開されていないのは不思議です。そこで、色々な情報、体験を参考にまとめた一つの動作原理のモデルを提示いたします。
従来のスピーカーは定説では球面波の音が出ていると言われていますが、これでは抽象的すぎていて、より現実に合うように表現するならば、直進波と拡散波の音が同時に出ている、とした方がより的確な表現でしょう。
では、これから少し細かく見ていきます。先ず、コーン型振動板を考える前に、平面がピストン運動=平行往復運動した場合を考えてみます。
- 平面は無数の点の集合と見えます。
この平面上のすべての場所は同じピストン運動をし、小さな点から音が出る時は球面波として空気中に拡散するので、全ての場所から無数の球面波が同時に発生するというモデルからストーリーを始めます。
- この一つの球面波の性質は、小さな円柱の先が丸い音源がピストン振動をしているモデルとすれば、振動方向のレベルが一番高く、振動方向から傾いて拡散する音レベルは低くなり、横方向でレベルは0となります。点音源が収縮運動する時の球面波ならば全方向へ同じレベルの音となるので、この場合の球面波は少し性質が異なります。
- 振動板で発生する音の中でピストン方向へ出る進行面が平面の音レベルが一番大きく、これが平面波となります。
- 振動板の外へは平面から見ると同心円状、断面はタワミ振動とほぼ同様に拡散していくので、この音を拡散波とします。
さて、次に、振動板が斜めに傾いたままピストン運動する場合を見てみましょう。例えば、従来のスピーカー振動板の形状がコーン型、円錐形になっているので、振動板から直接に斜め方向に平面波の音が出ると思われるでしょうが、それはBADです。
振動板を拡大して見ると、顕微鏡写真レベルでこれですから、実際の振動板の表面を分子レベルで見れば大きな凸凹になっているでしょう。斜めに飛ばされる事が起きるのは振動板の表面の凸凹より大きなものが動かされる場合に限ります。重心よりズレた場所に最初に当たるので、ピストン方向からズレた方向へはじかれます。
空気分子は小さいため表面の凸凹で横には動きずらく、ピストン方向に主に動けるので、ピストン方向のレベルが高い球面波が、振動板上に無数に発生します。この様に全体で振動板の形をした進行面の音がでるのですが、このようにある面積のある進行面でピストン方向に進む音を直進波の音と定義します。
以上のことで、従来のスピーカーからは、大きいレベルの振動板の形を進行面とする直進波の音と、拡散する角度が大きくなるほどレベルが小さくなる拡散波の音が振動板のエッジから出ている、というモデルになります。
なお、点駆動スピーカーからはタワミ振動で動作するので全てが拡散波となります。
タワミ振動は点音源の振動➡
《拡散波》の定義
進行面の形が変化しながら360度放射状に拡散する音波。例えば小さい一つの点から出る進行面が球の形の音がが球面波です。
《直進波》の定義
もともと音は真っ直ぐ進むので、拡散波も直進する波で構成されていますが、その直進する波それぞれは別の拡散方向へ進むので、これはあくまで、拡散波であり直進波ではありません。これに反して、ある大きさの面積を進行面として振動板の振動方向と同じ方向へ直進する音の波を直進波とします。
振動板の振動方向と同じ方向へ進む、というのがキーです。
面の形が平面の時に平面波となります。
従来のスピーカーからは、振動板の形を進行面とする直進波の音が出ていて、どこまでいっても進行面は変化しません。
従来のスピーカーの振動板は、ピストン振動=平行往復振動をするので、拡散波の音は、振動板の淵からタワミ振動と同様の原理で発生します。低音のレベルはとても低くなりますので、補強の方法としてホーン型、バスレフ型、などの形態が考案されています。
又、スピーカーの真正面へは、直進波の音が振動板の形の同じ位相の進行面でで右耳と左耳へ来るので、すなわち同じ音が同じ方向から右耳と左耳に来る事があり得るので、一つの点から出る音の性質(球面波効果)は半減しています。
タワミ振動から出る全ての拡散波は、振動する焦点である、面積のない一点から出た球面波ですから、どの位置で聴いても球面波の性質(球面波効果)を持っています。
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理想的な音とは拡散波の音
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従来のスピーカーは、バスレフなどのボックスにユニットを設置する必要があるのとは別に、振動板は平行往復運動するので、振動板のコーンの形の直進波の音が出る事も、特徴としてあげられます。
直進する音の大きさは振動板の大きさ、精々30センチメートル程で全体から見たら大変小さいので、ほぼ全部が連続した球面波の拡散波の音とも見える訳ですが、確かに色々と「オーディオベテランや通」の方たちの話などや、最近のスピーカー事情と通じることが幾つかあります。
例えば、「ホーンの音の中央は聞くな」とか、「スピーカーを設置する高さは耳の高さより少し下に」あるいは、最近あるわざとスピーカーの振動板の向きを前ではなく、上とか横とかにして振動板の音を直接聞かない方式のスピーカー、など、これらは全て、スピーカーから出る直進波の音を直接聞かない、という事になります。
もし二つの平面波がある角度で交わるとそこにはノイズが発生します。交差する角度を極端に増やして位相が逆になる様に交わせると音は消滅します。球面波の場合はその様な現象は起きません。この理由からスピーカーをLRセットにするシステムの場合、球面波の性質を持つ音だけを出すスピーカーの方がベターでしょう。
点音源であることが理想的なスピーカーとしているwikipediaですが、点音源からは拡散波である球面波の音が出るわけですから、すなわち、これらは全て「拡散波の音を聞け」に集約されているようです。
という事で、当サイトでは「拡散波の音がスピーカーが出すべき理想的な音」と、提案いたします。
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タワミ振動のススメ
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平面波、球面波、という言葉は理解しやすいように人間が考えた物理数学上のモデルです。
しかし、現実の自然世界では純粋な平面波、球面波、は存在していませんし、或いは一方、すべての音は球面波、平面波として考える事が出きるでしょう。
球面波の音源は丸い小さな点である必要がありますが、では、収縮運動する小さな丸い点が空中に浮いているものがこの世界に存在できるでしょうか?或いは収縮する半球はどの様に設置が可能でしょうか?
せめて1m四方の平面波を作るために、1m四方の板が平行往復運動する機構が自然界に存在しているでしょうか?これ以外に1m四方の平面波を作る方法はありません。
又、球面波は平面波の組み合わせと理解出来て、平面波も球面波で構成されている訳ですから、現実にある音を球面波、平面波だけで解析したら訳の分からないオカルトになってしまいます。特に平面波は人間の思考の中で生まれた言葉でしょう。
例えば平面波を逆相で打ち消しあうという事がありますが、このような自然現象があることが自然界に起きていると思うかもしれませんが、こんなことは自然界では絶対に起きません。人間だけがこれを実現できるのです。ですから、平面波の扱いは注意が必要です。
そこで、人間が音の良し悪しを判断するのですから、球面波と拡散波、平面波と直進波、と目で見える形の数学言葉だけではなく、人間が感じる言葉である性質の名前も加えて考慮することを提案いたします。
そして、全てのスピーカーメーカーの方へ、ピストン力でねじ伏せて動作させるスピーカーより、柔らかいタワミ振動で動作するスピーカーの開発をお勧めする次第です。
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たわみ振動に関しての一つの仮説
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さて私は物理の専門家ではない単なるオーディオマニアなのですが、一つの仮説を提示しておきます。それは例えば鞭を振ったときに出るソニックブームの音、というのがあります。これを、たわみ振動に当てはめて考えると、もし振動板がたわみ振動をするときにその振動板の動く速さが音速を超える事があるのでは?あるいは限りなく近くなる事は?
もしあるとしたら、何かの物理現象が起きているのでは?あるいは起こせる事が可能なのか?という、素人的疑問が湧きました。
おヒマな方は続きを考察してみてください。
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二つのキーワード「タワミ振動」「トーラス構造」
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このスピーカーの動作原理が「タワミ振動」「トーラス構造」に到達した事でがどうやら完成したようです。
動作原理解析を初めて2年半、終わってみて分かったのは、大学の研究室に頼んでも出来たかどうかは疑問な程、「タワミ振動」や「トーラス構造」などは、なかなか気が付かない動作原理だったのでした。
【タワミ振動について】
現在のオーディオ界ではピストン運動している振動板から拡散波である球面波の音が出る、という定説がある為に、タワミ振動から球面波系の音が出る事にそう簡単には気が付かなかったでしょう。
しかし、従来のスピーカーの実際は振動板から直接出るのは直進波の音が出ています。全体としてみれば直進波の大きさはせいぜい30センチほどですから確かにほとんどは拡散波と見えます。
なお、自然界、楽器などでピストン運動で音を出すものは、スピーカー以外には存在していません。
又、振動板を固定したら振動板は動きずらいという事で、振動板のエッジを柔らかくしているのでしょうが、実は振動板をシッカリ設置しても大変軽く動く構造もあります。どんなに大きな重い板でも軽く動かす事も、トーラス構造を利用する事で可能になります。
【トーラス構造について】
タワミ振動で音を効果的に出すにはトーラス構造が有効で、「力のトーラス」を作ればよいのが分かったのですが、この「力のトーラス」というのが存在するためには、「力の速さ」という概念が存在する必要があります。しかし、この力の速さについて論じている所は、現在どのアカデミーにもありません。
検索してもヤフーの質問コーナー位です。ですから、アカデミックに依頼したとしても「力のトーラス」という概念、思考にたどりつくはずはなかったのです。
しかし、ようやく力についての理論を大変詳しく説明している方、どの様な経歴の方かは分かりませんが、をネットで見つけたので私の「力のトーラス」という考えが成立する事が出来ました。
力の速さについて
さすがに今の時代、本当に必要な真実はネットにしかないのですね。ただ、ネットには間違った情報もあるので注意も必要です。
なお、トーラスに関しての考察は物理学のスピーカーとは違う自然哲学のお話なので、今後トーラスに関しては別サイトで展開していきます。興味のある方はそちらへどうぞ。
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「力」の定義 〜 自然哲学風に、、
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「力のトーラス」でいう「力」の意味を少し詳しく説明いたします。なぜなら、これまでに「力の進み方」について問題になる事がなかったからです。
当初私も、「力」って瞬時に伝わるもの、と思いこんでいましたが、実はそうではありません。もちろん引力という力はほとんど同時に地球のすべてのものに伝わるでしょうから、引力という力は確かに瞬時に空間を伝わるのでしょう。しかし実は引力とは力の一種です。
現在、正式なアカデミーでは力の進む速度や方向に関して、当サイトのように、検討している事は有りません。
しかし、インターネットで唯一力に関して詳しく検討している方がいます。ぜひ、力の性質に関して詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
参考サイト→力の伝わる速さ
「力のトーラス」でいう「力」とは、「ある物体を押すときの力」とします。引力とか量子力学とは関係ない人が物を動かすとき必要なエネルギーの量の事です。
たとえば、錆びついたネジをかなかな回せない時に、「ほら、もっと力を入れて」と言われる時の「力」の事です。ですので、相対性理論の「力」とは全く無縁のお話です。
この力は物体中をほぼ音速の速さで進みます。という事は力の出る所と伝わるところがある訳で、つまり力は進み方というものがある訳ですから、当然トーラス構造を作れる訳です。
そうして、「力のトーラス」という概念を考えてみると、この世の中にはものすごく沢山のこの形態がある事が分ります。しかも、このトーラス構造は、例えば地磁気のトーラスなどと同じように、トーラスの性質がそのまま当てはまります。
すなわち以下に述べる「小さい焦点のトーラス」と、「大きい焦点のトーラス」の事です。
そう考えると、実は人類が進歩したのは、力のトーラスを作ることをしていたからと言えます。なぜなら人間だけが自由に体を使ってトーラス構造を作る事で、あらゆる道具を効果的に扱うことが可能になるからです。
これはスピーカーではなく、自然哲学の分野の話でしょうか?
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トーラスの種類と性質 力のトーラスへの道
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効果的な働きをする構造物を考えるヒントとしての、力のトーラスを考える前に、現実の世界にあるトーラスとはどのようなものなのかをみます。
一般的に言われるトーラスとは、地球から出た磁場が拡散したのちに再びもとに収束して戻ってくるような、円環状の形態の事です。
トーラスを、静的な見た目の円環に加えて「拡散し回り回ったものが再び収束して元のところへ戻って来る」という動的形態を加えて概念を拡張すると、物理の世界はもちろん、人間行動、社会システム、自然界、などあらゆるカテゴリーに同様の形態が見られます。
地磁気を平面から見ると同心円状になっていて、拡散した地磁気は中心へ戻る形ですので、地磁気トーラスの場合の地球の中心の点に該当するところを、トーラスの「焦点」と定義します。
そして、日常よく目にする様々なトーラスを検討してみると、対照的な二つの種類、「小さい焦点のトーラス」と「大きい焦点のトーラス」がある事が分ります。
《小さい焦点のトーラス例》
- 従来の羽が回転する扇風機を焦点として密閉した部屋の中ほどに設置したモデルにおいて、トーラスとは空気の流れる道筋の事であり、トーラスの見た目は必ずしも規則的な同心円状にはならず、焦点付近の運動は、プラスチックの特殊な形状の回転する羽で発生する空気の渦巻き運動等、大変複雑な運動があります。
- 磁石の完全なN、あるいは完全なS極方向へは磁力線が出たま戻って来ないでしょうが、それ以外のN極からでた多くの磁力線は反対のS極へ戻ってきます。この磁力線が出る原因は原子核や電子などの庶民レベルでは理解できない程大変複雑な作用で発生しているのでしょう。
- 心臓(焦点)から出た血液は色々な道筋(トーラス)を通っていろいろ大変な仕事を終えて再び心臓に戻ってきます。
- おそらく画期的なエコ循環システムが完成したならば、その中心技術は私などには思いもよらない超高度な複雑な作業を伴うのでしょう。
- 力のトーラス
たとえば、バイオリンを弾くとき、バイオリンの弓と弦が面積の小さい点で接触することで力が拡散してトーラスを形成しながら伝わり再び元の点へ収束して戻ってきます。この力と、反発力とが同じ小さな焦点に両方から強い力で圧迫されて弦の振動が始まります。
反発力とは力を与えた相手が、力を熱とか移動とか他の形のエネルギーに変換出来ないから、行き場の無くなった力が自分にかかってしまう力の事です。
楽器を弾く時のトーラスについての詳しくは下の「3次元球面の回転によるスピン」をどうぞ。
この様な力のトーラスの場合、焦点をより小さくするのが有利です。
もちろん焦点を大きくしても戻ってくる力はあります。しかしその面積に力が分散されてしまい、焦点に加わる力は小さくなってしまいます。力のトーラスにするには次の二つの条件が必要です。
力のトーラスを作る方法
A 焦点を小さくする
B トーラスの内部損失を小さくし、パーツはループ状に固定接続する。
《大きい焦点のトーラス例》
- 大きい面積で可動部分を振動板に接続したシステムにおいては、焦点となる接続部分で特に大きなタワミ振動などの複雑な振動は起きにくく、主に単一な往復運動となる。
- リング扇風機のトーラス状の円環から出る空気は、従来の扇風機と比較して真っすぐ遠くまで届きます。
- トーラス状のボールベアリングの軸(焦点)はスムースに単純回転します。
- 従来のスピーカーの場合、トーラス部分は振動板のエッジと見ることができ、もし焦点である振動板が平面で往復運動したとすると平面波の音が発生し、球面波よりも遠くまでくっきりと音が届きます。
小さい焦点のトーラスと、大きい焦点のトーラスとの比較
このように、どのようなカテゴリーかを問わず不思議に共通の性質が見られます。
《小さい焦点のトーラス》 焦点から前へ拡散したものが後ろから戻って来る
- 焦点から放出されたもの(力、物質、磁力線、エネルギー、あらゆる概念)はいったん拡散した後、途中で消費されない限り、或いは途中で編集されたとしても殆どが再び元の焦点へ出た方向の後から、ほぼ音速で(力エネルギー)或いはある一定時間を経過した後に(扇風機)戻ってくる。
- トーラスの見た目の平面図は必ずしも焦点を中心とした同心円状にはならない事もある。(C型トーラスは同心円ではない)
- 焦点付近は、タワミ運動、伸縮運動、渦巻き運動、等のように大変複雑な運動をする。
- トーラス内の効果を利用する。
- 例;点駆動スピーカー、従来の扇風機、楽器の演奏システム、ある種のエコ循環システム、心臓と血管、地球と地磁気の多くの部分、磁石と磁力線の多くの部分、自然界に多い
《大きい焦点のトーラス》焦点を通過するものは単一性、直進性がある
- 焦点の部分から一旦放出したものは特に拡散はしないで直進性(逆直進性)があり、焦点へ戻って来るとは限らない。あるいは何も放出しないで単純運動する。
- トーラスの見た目は同心円状になる。
- 焦点付近は単純に一方的な分かり易い運動となる。
- トーラス外、焦点を利用する。
- 例;従来のスピーカー、リング扇風機、トーラス状ベアリング、ホースの断面、リング状ブレスレット、人工物に多い
補足
力(ここでは引力は別)もエネルギーの一種で、物質中ではおよそ音速で進みます。
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クイズ
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次の例はどの様にトーラス焦点を考えればよいでしょうか?
1
日本刀で対象物を切る時は、刀を上から下へ振り下ろし、場合によってはもう一度上へ振り上げて、いわば刀を循環運動させます。
2
これに対してピストルの弾丸はいったん出たら戻っては来ません。
2の場合はピストルの筒はいわばトーラス状と見えますから、焦点の大きいトーラスと考えられます。その通り弾丸は単純に出たままで戻ってきません。
さて、1の焦点、トーラスはどこでしょうか?
答えは、刃先が小さな焦点で、自分、刀、対象物、地面などのパーツがループ状に接続されているのが力の道筋のトーラスとなります。
ただ単に上下に振り回している時には焦点はありません。しかし一旦刀の非常に面積の小さいある一点が接触した時、その力は瞬時に対象物から地面、自分、そして元の接触点へループ状に伝わります。
この時より強い力を加えるためには、刃先をなるべく尖らして力の筋を細くして力の道筋を多くします。
またこれは、上記の力のトーラスのつくり方に準じます。
こうしてピストルの弾は一回使ったら使い捨てですが、日本刀ならば何度でも繰り返して使えるエコ攻撃システムとなるわけです。
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3次元球面の回転によるスピン
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上記の尖った刃先のモデルは、図のような「3次元球面の回転によるスピン」という形のトーラスになります。
具体的に思いつく例はCERNで原子がぶつかった瞬間の図、あるいは密閉した部屋の壁際に置いた扇風機モデル、ともみえますが、そう、これは楽器を弾く時のモデルですね。
なお、地磁気型トーラスをアップル型トーラスとし、これはC型トーラスと名前をつけました。
量子力学について詳しくは
http://www.geocities.jp/x_seek/Spin.htm
トーラスのイメージ
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トーラス構造を作る事で人類は進化した
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3次元球面の回転によるスピンの図は実は人間が物を使って作業をするあらゆる形態そのものです。
たとえば、針に糸を通す、パンにバターピーナッツを塗る、スマートフォンを操作する、手の爪を切る、落ち穂を拾う(古いね)、などは、片方の手である行動をとり、もう一つの手で何かを持って作業をします。
すなわち、力を入れるべき焦点の中心を探り当ててから、一気に力を入れるには、腕や体で無駄な力を使わないように各体のパーツでしっかりと力を支えます。
この様な行動は実は人間だけが自由に出来る事です。サルがクルミの実を割るのも、まあ、そこそこ出来てはいますが、。
多分、道具を使う、ということはすなわち、トーラスを作るとイコールなのでしょう。
そして、力のトーラスをコントロールして焦点を移動させて文字を書くのは人間だけが出来る事です。
正に、人類が進化できたのは自らトーラス構造を作る事が出来たから、と言えるのでしょう。
では最後に問題提起;
DNAは焦点の大きいトーラス形態にみえますか?
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トーラスの利用の仕方
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さて、この世界にはトーラス構造が実際に沢山あるのは分かりましたが、問題はこれをどう利用するか?となりますが、残念ながら今の所力のトーラス構造のスピーカーの説明以外には見つかっていません。
ただ、どのようなカテゴリーのトーラスも、焦点に関しては同じ性質があるのは不思議です。そのような不思議さはさすがに私にもさっぱりわかりません。もしかすると、そのような性質から、スピリチュアルなイメージが発生しているのでしょうか?
もし、なんらかのカテゴリーで、どうしても解決できない問題があるとしたら、力のトーラスの性質を一度考えてみることをお勧めいたします。
力のトーラスの作り方
1 力の発生させるところ(焦点)を、小さい点にする。
2 力を元に戻す構造にするために、パーツをループ状(トーラス状)に接続し、パーツ素材は、内部損失の少ないものにする。
3 目的作業をする場所、仕事をする場所、を一部に設置する場合そこを内部損失の大きいものにし、そこのみで重点的にエネルギーを消費するように設計する。
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タワミ振動は点音源振動
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理想的な球面波の音を発声する、理想的な点音源があるとしたらそれは球の伸縮振動であり、球の表面はタワミ振動しています。ならば、同じ様なタワミ振動で、理想的な点音源を実現出来る事を確認してみましょう。
靴音、机を叩いたときの音、ピアノの音、コントラバスの音、などの音が出るのは、床、机、ピアノの響板、コントラバスの本体、などの物体になんらかの力が加わり発生したタワミ振動が空気中に伝わるからです。
このタワミ振動をモデル化してよく見てみると、実は点音源の中心の位置が振動しているのと同じ事なのが分かります。
図において振動板は1と2の位置で固定されている時になんらかの力が加わり振動板が伸びて振動板Aまでタワむとします。この時に振動板は1と2で固定されているので、振動板Aは中心Aの円弧(球の一部の事もあり)となります。
続いて振動板は伸び続けて振動板Bまでタワむとします。この時振動板Bは中心Bとする円弧となります。すなわち振動板がタワむ振動は中心の位置が振動する円弧の事となります。
この様に例えば振動板が1と2で固定されていない場合でも、なんらかの関係で円が正円にならなかったとしても、たとえどんな複雑なタワミ振動だとしても、タワミ振動とは中心の位置が振動する円弧の組み合わせとみなす事ができます。
円弧とはすなわち点音源の音源そのものので、中心とは面積は「0」の点である焦点の事なので、タワミ振動は点焦点が振動する点音源の事となり、タワミ振動は点音源振動、というフレーズが成り立ちます。
又振動板はマイナス方向へも振動するので、このタワミ振動からでるタワミ波とは正確に言えばは前へ正相の半球面波、後ろへ逆位相の半球面波となります。いづれにしても、ここでは一応球面波としておきます。
ですので、自然に発生している音は殆どがタワミ波、球面波という事でしょう。当然、球面波効果 も関係しているでしょうし、自然界の音は立体的に聞こえます。すなわちこれは私たちが感じている音の性質と一致します。
理想的なスピーカーとは点音源で球面波の音を出す、というのが一般的に言われています。ならば、タワミ振動を利用するスピーカーを構築する事こそが、世界のオーディオメーカーが選択して進むべき道なのでしょう。実際過去にタワミ振動を利用するスピーカーは様々な特許がかなりの量あります。(様々な例)
なお、このモデルの構造のままではチョット無理なので、似た感じでタワむ構造にしたのが点駆動スピーカーではあります。
この様に音質的には理想的なタワミ振動ですが、タワミ振動とは振動板の固有振動そのものなのでどうしても周波数特性に偏りが起きてしまうという、大きな欠点があります。これを点駆動スピーカーでは振動板の材質と構造の選択(これに関しては特許を申請していないので公開不可)で克服しています。
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正しいフォービートジャズの聴き方
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音楽は感覚的なものだから、聞き方は自由でいい、という考えもあるでしょうが、それは甘い!そんな感情論的論理では本当の芸術にはとても近づける筈もありません。
ジャズの基本はフォービートなのです。言い換えるとアドリブのスイング感。これが理解できなかったら世界に通じる音楽は絶対に不可能です。なぜなら、ヨーロッパやアメリカでヒットしている音楽、というより日本以外でヒットしている音楽は全てフォービート感覚、アドリブ感覚が、ジャズ以外のポップスでもロックでも全てに存在しているからです。特に今は韓国もそうです。少女時代もかなりのレベルでアドリブ感覚、スイング感覚が出来ています。
その点、日本にはジャズ的アドリブ感覚、スイング感覚を体現できているアーティストは殆ど居ません。ロックやポップスなどはなんだかヤマハの音楽教室で勉強しました風な、童謡系ばかりですね。これを克服するにはフォービートジャズのスイング感を体で感じる事が出来るようになる必要があります。と、いう事で私なりの楽しい提案を一つ。
すなわち、ベースは胸で、メロディーは耳で聴くのです。
ジャズマンではベースの音は胸に直接響いてきます。ですので、わざわざ耳でベースを聴こうとする感覚は不要で、耳ではソロだけを注意して聞けばよいのです。
そうすると、自分の胸に響くリズムと、頭へ聞こえてくるメロディーのタイミングとがピッタリ合っているのかどうかがすごく分かり易く聞こえてきます。実はこの感覚を一番はっきり自覚しているのはベース奏者とソロの人なのです。
この様に、ジャズマンでベースのリズムを胸で感じながらソロを聴くと、本当にリアルに演奏者の気持ちが直に伝わってきます。ただし、注意が必要です。これを理解し始めると病みつきになって、もっと音楽に浸りたくなるという宗教か麻薬のような効果があります。
では、健康に注意しつつ音楽を楽しんでください。
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jazzmanは何故透明感のある音がするのか?
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一般的に振動板の材質としては内部損失の大きいものが理想的です。しかしそうすると例えば柔らかい材質にすると音圧を得ることが出来なくなりそのバランスをとることが必要とされてきました。
しかし、jazzmanの場合、構造上やわらかい材質で内部損失のとても大きいものでも動作させることができるので、大変クリアーな雑味の少ない透明感のある音を得られます。
例えば過去のヤマハの背面開放の平板(ピアノ型)振動板のスピーカーを作っていた方も、「どうしても振動板から特定の周波数のピークが出てきて、、」とおっしゃっておられたように、現在ある平板振動板の場合、私もいろいろなメーカーのを聞きましたが、どれも一聴してわかるある周波数帯4から6KHZ近辺にどうしても振動板固有振動のピークの音が聞こえてきてしまいます。
それもそのはず、かつては平板に音波を入力して離れた場所に設置したマイクで音を拾って、すなわち平板の固有振動をエコーとして利用した、プレートリバーブ、という装置があったくらい(はあ?いつの時代のお話し?)、もともと平板構造は固有振動をしやすい性質があります。
jazzmanも、当初はこの平板振動板の固有振動ピークを削除するのに大変悩んだのですが、詳しくは企業秘密ですが、特殊な素材を選択することでで、内部損失と動作させる構造のバランスのどちらも立てることのできる、理想的な構造のスピーカーとすることが出来ました。
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球面波効果(拡散波効果)
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点音源の動作についてもう少し詳しく見てみましょう。
まず次のような疑問が出ます。平面波の様な直進波の音を聞く方向を真ん中から少しずしたら立体的に聞こえるのか?という疑問です。それはノーです。
例えば平行往復運動、ピストン運動している場合、振動板の全面からほぼ同じ位相の音が出るので、少し音源の中心から向きをズラして聞いてみた場合、左右それぞれの耳へくる距離が変わり、ただ単純に殆ど同じ音がずれたまま一定に聞こえます。
しかし、点音源から出ている音を少し的をずらして聞いた場合はだいぶ事情が異なります。すなわち左右の耳と音源との距離が変わるだけでなく円弧状の音がくる角度が変わります。
例えば左右の耳の位置が図のように中心からずれている位置にいる時に点音源から球面波が拡散する場合、最初にt1の方向へw1の波が右耳へ到達します。この時右耳の全面にほぼ瞬時に波は伝わります。続いてt2の方向へw1の波はw2として左耳の右端へ到達し、続いてt3の方向にw2の波がw3として左耳の左端へ到達します。すなわちこのような特別な配置に限らず、どの様な位置で聞いたとしても、音源に近い方の耳へくる音より、遠い方の耳にくる音の方が、音の滞在する時間が長くなり、右と左の耳では同じ音が複雑にズレています。このような音の性質を球面波効果、拡散波効果とします。
球面波効果は特に低音で顕著に聞き取る事が出来ます。低い周波数だと波長が長いので人の右と左の耳での位相の違いを聞き取る事が出来、これが何故ジャズマンの低音が立体的に聞こえるのかの理由です。
球面波効果があるのは焦点の大きさが、面積の小さい点の大きさの場合であり、振動板が平行往復運動、ピストン運動して音を出す場合は振動板の大きさが焦点の大きさとなり、球面波効果は望めません。
特に、左右の耳の距離より長い波長の低音は、球面波効果を体感できます。
ここで耳をマイクにした場合、マイクの振動板は平行往復運動しかしないので、この球面波効果をデータとして録ることは出来ません。従って、このような効果を物理的に観察するのは大変複雑な手間がかかるので、今までは誰も確認できていなかったのかも知れませんが、人の耳は聞き分けられるようです。
人の耳は片耳でも外耳の音の反射を利用して縦横上下の方向判断能力差はあるにせよ音の来る方向を判断しているようです。耳の構造を見ると、振動を受け取る場所は鼓膜の端の方にあり、マイクの振動板の真ん中にボイスコイルがあるのとは異なります。
と、構造を調べるまでもなく、確かに誰でも耳は二つしかないのに3Dに聞こえるのですから、人の耳にこの機能が無い筈はありませんね。ただ具体的にきぬた骨や三半規管がどう働いているのかを知らないだけなのです。ですから、球面波効果を人が聴き分けられるのは当然でしょう。
すなわち、この球面波効果があるからこそ人は自然の音と感じるので、理想的な点音源から出る球面波こそが世界中のスピーカーメーカーが目指している方向なのでしょう。
(耳で上下の聴き分けについてはイベントデザイン社へ。)
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従来のスピーカーの球面波効果
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球面波効果は音源が点である場合100%ですが、音源が大きくなるとその分効果は減ります。
耳と耳の間の距離はおよそ21cm程度ですので、音源の大きさが21cmの時には左右の耳へ同じ音が届くことになり、この大きさの時に球面波効果が半分の50%になります。
従来のスピーカーは振動板自体からは口径の大きさの直進波が出ているので口径の大きさが焦点の大きさですから、ほぼ球面は効果は望めないでしょう。→詳細
これは実際に経験したことがあるのですが、直径の大変小さいスピーカーを試聴したことがありますが、とても立体的な音がしていました。正に映像の3Dを音で表現した感じで、まさに目の前に商店街の様々な音が立体的に聞こえました。
初めて聞いた人は本当にびっくりしますよ。あるんですね、こんな不思議な現象が、このスピーカーを発案するのに大変参考になりました。
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《点音源オーディオシステム》の提案
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今まで断片的に考えてきた、「マイクは複雑な位相をある点の単一な位相のデータに変換している」「点駆動」「不思議なスピーカーのいくつか」「問題の解決をしようとしている幾つかのスピーカー」「点音源」「球面波」「単一位相の音」「非単一位相の音」これらのキーワードが、一つの理論「点音源オーディオシステム」に集約されます。
《点音源オーディオシステム》
点で録った音を点で再生するオーディオシステム
マイクが録ったある点の場所の音データを、点音源として再生するオーディオシステムです。
マイクの近くにある音は左右の耳で別々の位相の音がする非単一位相の音ですが、この音を録ると、マイクのボイスコイルは一方向しか往復運動できないので録った音を単一位相の音データに変換します。
このデータを点音源で再生します。
この時、点音源に向かって聞く場合、左右の耳に同じ位相、単一位相と聴こえる場所は例えば2次元平面上とすれば自分と点音源との間の直線上となります。もしこの線上から少しでも外れれば左右の耳へは異なる位相の音、非単一位相の音として聞こえますが、理想的なモデルとして線幅が「0」だとすると、左右の耳に単一位相の音として聞こえる場所はないことになります。すなわち、理想的な点音源は非単一位相の音として聞こえます。
この結果、このシステムでは、一旦「単一位相」になったデータを元の「非単一位相」の音として再生できます。正にモノラルなのに立体感があります。
で、この点音源のつくり方なのですが、現在のスピーカーは振動板の平行往復運動なので完全な球面波は出来ません。ボケた球面波なので立体感は得られません。
これを実現したのが、点駆動スピーカーです。
振動板を点で駆動するから点音源として振動板からは非単一位相の音が出ます。その理由を分かり易く解説したビデオを後ほど作ります。
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音の位相考
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音の位相に関してはこのスピーカー以外にもとても不思議な音がするスピーカーがあります。
その一つはタイムドメインです。
スピーカーを開発し始めた当初日本のあらゆるスピーカーを聴きまくりましたが、タイムドメインで聞いたスピーカーは、成るほど、と思いました。
それは小さな卵型のスピーカーを床に置いたものでした。音はとても立体的な音がするのです。正に映像で言う3Dの音版のものです。歩いている足音や人通りの雰囲気が全く自然と同じように立体的に聞こえます。最初はスピーカーが小さいから音源の位置が明瞭なので3Dで聞こえやすいのかな?と思っていましたが、これまで点駆動スピーカーの解析をしてきたことを踏まえたら、どうやらそれに「音の位相」も絡んでいるであろう、と思えてきました。
もう一つは音展で隣のブースで展示されていたNSE社の八角形スピーカーです。
このスピーカーは低音も良く出るのですが、とても低音は出ないと思われるような容量の小さい箱に、少しづつ音が出る方向がずれるように八個のスピーカーユニットが円形に配置してあります。すると出る筈のない低音が十分に出るのです。とても不思議なスピーカーだなと思いました。
自然界の音の位相は一方向に均一ではないでしょうし、まだまだ位相に関しては物理的に解析すべき問題があるような気がします。
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歪振動波は存在しない? その2
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このスピーカーの最も重要なポイントは従来のスピーカーでは常識となっていた「逆位相の音が打ち消しあう」ということが起きないことです。逆位相の音もしっかりと聞こえることです。
しかし、ではどのような理屈でこんなことが起きているのか私には説明ができませんでした。当初、従来の音は粗密波だから逆相の音と打ち消しあうのであって、歪振動波だからそのようなことは起きない、というふうな理屈を作っていましたが、先日の音展にたまたまお会いした方から「歪振動波、と言ったらオカルトになっちゃうよ、」と言われてしまったのでした。音はすべて粗密波なのです。
その日、2015/10/18日の出来事をヒントに「逆位相の原理」に気がついてこのスピーカーの物理的動作原理が一部解決したのですが、もしや?と思い撮っておいたのを分かりやすくテロップをつけて編集したビデオを見れば、その経緯が全てわかると思います。
中で私が言っている通り、その時点ではなぜ逆位相の音が聴こえるのかは分かっていませんでした。
なお現在この問題は、点駆動スピーカーの前と後ろから出る音は位相が常に変化し続けている、あるいは同時に複数の位相の音が出ているので、定常波が起きにくい、ということで理解できるでしょう。すなわち点駆動スピーカーの前と後ろから出る逆相の音は非対象なのです。
さて、マイクが音を拾うときのことを少し考えてみます。
自然に聞こえる音は右の耳と左の耳で既に位相が異なって聞こえています。ためしに片方の耳を塞ぐと、とたんに音のクリアー感、立体感が消えてしまいます。つまり、位相が少しずれて左右の耳で音を聴いているから音に臨場感があるのは誰でも気が付くでしょう。
そんな音をマイクが拾う時、振動板は単なる往復運動だけではなく音の来る方向や位相の違いでも振動は変化する筈ですが、ボイスコイルはこれに反応できず、すべて単一の往復運動として電気信号に変えています。すなわち自然界にある複雑な位相を単一の位相に変換しています。
スピーカーの振動板は、マイクが録った一つの位相の音を振動板の往復運動で発生させます。元のマイクのところにあった位相の変化は再生されません。すなわちスピーカーに向かって音を聞くと、右と左では同じ位相の音が聞こえます。少し顔を傾けると少し位相のずれをキープしたまま聞こえます。これはスピーカーからはマイクが録った一つの位相の音が出ているからです。
しかし、例えばコントラバスからは、弦からも胴体からも色々なところから異なる位相の音が出て、全く同じ位相の音が出る場所はありません。なぜならコントラバス本体には平行往復運動するパーツは一つも無いからです。したがって、コントラバスから出た音の位相は複雑で非単一ですので、左右の耳へはいつでも異なる位相の音が届くので立体感があるのです。
因みに、スピーカーを聞きながら首をゆっくり左右に振ると位相が変化し続けるので何やらクリーアな立体的な音に聞こえませんか?。お試しを。またロータリースピーカーも、なかなか立体的な音に聞こえます。これらの音の位相は常に変化し続けていて、単一な位相ではないからです。
その位相の変化を物理的に付加して再生するのが点駆動スピーカーです。位相をほんの少しだけズラして音を再生する訳です。
ですので、点駆動スピーカーの振動板は自然の音が出すのと同じ位相が常に微妙に変化し続けている音をだすので、自然の音に近いのです。
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その後の経過考察
従来のスピーカーが前と後ろの逆位相の音で打ち消しあう、というのは全く間違った考えであることが判明しました。
打ち消しあうのは、プラスとプラスが逆方向から来た場合です。スピーカーの場合はプラスとマイナスですから、打ち消しあう事はあり得ません。しいて言えば回り込むのですが、実は回り込んでいるのはほんのわずかです。
それが証拠に、大きな平面バッフルに設置してもそれ程低音は強くなりません。低音を強く出すにはボックスに設置しなけれはなりません。では、なぜボックスに入れると低音が大きくなるのか?は、打ち消しあわないからなどではなく、全く異なる原理で低音が増強されるからですが、詳細は又別に公開いたします。
ヒント、実は低音はエッジから出ているのです。つづく、、。
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≪逆位相の原理≫何故臨場感があるのか?
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皆さんがジャズマンは生の音がする、臨場感がある、と言ってくれるのですが、ではどう生の音なのか今まで物理的説明が出来ていませんでした。
しかし、どうやら振動板の前と後ろから出る逆位相の音が打ち消しあわないで両方聴こえるのがどうやらその理由だろう、という意見にまとまってきました。
そしてこの理由を≪逆位相の原理≫という言葉で表し、以下その内容を提示いたします。
例えばjazzmanの真横に頭を持ってくると、右の耳ではスピーカー背面からの音、左の耳でスピーカー正面からの音が完全に逆位相で聞こえてきます。ですので、なんだか耳が変な感じになります。
従来からよく言われるように、低い音はスピーカーの前と後ろから出る音が打ち消しあって消えてしまうからボックスに設置する必要がある、と言う考えはこのスピーカーには当てはまりません。逆相の音もシッカリと強力に聞こえています。
とすると、モデルを次のように考えると何となく理解出来ます。
マイクから音を拾うときにマイクに入る音はほんの一部で大部分の音はマイクの振動板の脇を通過してマイクの後ろへ進んでいきます。つまり音はマイ クが全部吸い取ってしまう訳ではなくマイクの存在が無いかの如くに音はマイクを通過していきます。音は勿論奥行き感がマイクによって損なわれる事無く立体的に聞こえています。、、て、当然ですね。
さて、従来のスピーカーですと振動板の前からの正相の音だけが前方向に向かって放出されます。ですので、すべての音はスピーカーの前のみへ出ていくので、奥行き感は耳とスピーカーの距離です。
一方点駆動スピーカーの前からは正相、後ろからは逆相の音が出ます。つまり後ろから出る音はマイナスですからスピーカーのはるか後ろからスピーカーへ向かってくる音と見なせます。
このことから、点駆動スピーカーの後ろから来た音が点駆動スピーカーの振動板を通過して前へ進んでいく、と言うモデルが出来ます。これが、奥行き感、臨場感のある音として聞こえる本質でしょう。
そういえばこの事は、寺垣氏も、「従来のスピーカーは生の音の半分しか再生していない」と、言っていたことと符合します。
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耳の構造と点駆動スピーカーの構造
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点駆動スピーカーの特徴は振動を伝えるのに先が円錐形になっている振動棒で振動を伝える構造を選択したことです。
この構造にしたら音が効果的に発音したからそうしたのであって、ではなぜこの構造が音を出すのに効果的なのかの理由は現在では単なる私の仮説であり、物理数学的に解明したわけではありません。
が、しかしこれと似たような構造が実は人間の耳の構造にあることに気がつきました。人間の耳は図のように鼓膜の振動をつたえる小さな棒状のパーツ、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨というもので振動を伝えているようです。
つまり、棒形状のものは振動を伝えるのに効果的な構造であることは自然現象なのかもしれません。そして、この自然の耳の構造と現在のマイクとは全く構造が似ても似つかないものです。いえ、声を出す構造の声帯とスピーカーの構造も全く似ても似つかないものです。
このように、点駆動スピーカーと耳の構造とは若干の似た構造がありますので、点駆動スピーカーもどうやらそれほど的違いな構造ではないと、言えなくはない?、、、とはいえ、もう少し説得力のある物理的な解析をしたいのですが、残念ながらこれ以上の能力は私にはありません。
耳の構造から新しいマイクの原理を考えてもいいんじゃあないかな?とは思っている次第です。
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テンセツゾクノゲンリガオーディオカイヲカエル
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点接続の原理、として私が考えて来たのですが最終的にはなんと、エジソンが発明したスピーカーが点接続だったのでした。
せっかくここ数年この事で頭を悩ませていて、確かにマグネチックスピーカー、は点接続なのですがしかしコーンが円錐形でしたので、点接続の効果がそれほど出ていなかったと思われるので、それは点接続の効果を利用している、とは考えずらかったのでした。
しかし、エジソンのは違いました。正に私の考えて来たものとほとんど同じものです。これを数日前初めて知人に教えられて分かりました。
今となってはこれまで考えて来たことが無駄になってしまいましたが、以下記念に、その思考過程を記録しておきます。
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スピーカー分野の一部にはかつてから点接続という言葉で言うべき技術が存在しています。可動部分の先を振動を与える対象に接続する時に、可動部分の先を円錐形にして、振動を与える対象と接触する面積を極端に小さくする技術です。
図に示したのは、円錐形にした可動部分の先を遊戯台の木枠に接続して音を出す装置です。この構造によれば、タワミ振動を発生する装置と理解できます。又、発生した振動を効果的に伝えるためにこのように可動部分の先を円錐形にしていると理解できます。
この様にパーツを接続する面積を極端に小さくするやり方を「点接続」として以下解析します。
引用文献 特開2009−194801 セイコーエプソン
●面接続
例えば下左図では、発振体の可動部分の先はボイスコイルの直径と同等の大きさの円柱状で形成されているので、ある程度の面積を有して平板振動板に、いわば面接続されています。
この時可動部分が図の様に上下に往復運動すると、面接続の平面も、又振動板全体も単純に平行往復運動し、振動板のどこからも同じ位相で音声が発生します。
●点接続
つづいて上右図の様に、円錐形にした可動部分の先を振動板に点接続します。
この状態では、面接続のように平行往復運動する面積は無いので平板振動板にはタワミ運動が能率よく発生します。この動作概念を「点接続の原理」とします。
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点接続の原理
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当初これは私が発見したと思っていました。しかし、その後同じように点接続の原理を利用している特許が見つかったのです。これを探し出してきた特許庁の方は本当にご苦労様です。世にある無数の中からようやく見つけ出したのはさぞかし多くの時間を費やしたのでしょう。
でもそこでは点接続についての記述は無く、ただ単にそれと見られる図があるだけで、点接続と振動伝達に関する記述はここにも、又その他過去にはまだ見つかっていません。おそらく点接続と振動に関する記述は今回が初めてであろうと思われます。少なくともネット上には当サイト以外にはありませんでした。
で、私が最初の発見者ではなかったのが判明しちょっとガッカリしたのですが、でも落ち着いて考えてみるとそうでもなく、もし私が発見したのならその物理的原理を説明する必要が出てきます、が、私にはそんな能力はありません。でも、これを問われたなら「昔からこのようなことは一部では知られていた」と、言い逃れる事がゆるされる事となった訳なのす。
そういう意味で、理論だけ出来て現象は確認できないどこかの発明とは全く逆でございますね。どなたか是非、なぜ点で接続すると振動が効果的に伝わるのかを研究してみてください。そして、サイエンスに投稿してみませんか?
従来から振動板に振動を与えるのに振動板全体が動くように工夫をしてきました。しかし実はホンの一点だけに力を加えた方が振動板にシッカリと振動エネルギーを伝えることが出来る、って何かを示唆しているのでは?
世界を動かす国は巨大な国である必要は無く、細長い点のような小さな国が何かをした方が効果的、、、、か?
類似技術参考資料 特開2009−194801 セイコーエプソン
追記
この件は解決しました。
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バランスドアーマチュアイアホン
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点接続のスピーカーは実は他にもあります。それは、マグネチックスピーカーとバランスドアーマチュアイアホンです。もっともバランスドアーマチュアイヤホンはマグネチックスピーカーの原理を応用したものですが、。
どちらも、棒状の可動部分が振動板に接続されていて、点接続を形成しています。そういう意味ではバランスドアーマチュアイヤホンを大きくしたのが点駆動スピーカーと似ていると言えなくもありません。実際、バランスドアーマチュアイアホン、いろいろ試しましたがクリプシュの製品が本スピーカーの低音のアタック感に良く似ています。ですので当然ジャズ4ビートにはお勧めです、って他社のをほめてどうする?
しかし、これらは一応点接続を形成してはいますが、点接続の原理を利用している構造にはなっていません。やはり疎密波を発生しやすい構造になっていて本スピーカーとは異なる発明です。
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衝撃波
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このスピーカーの低音のアタックの再生能力が高いのは特にバスドラ=キックの音を聞いてみると良くわかります。従来のスピーカーとは次元の違う音でまるでスピーカー自体がバスドラの様に見えてしまいます。
アタックの音というよりは衝撃波のようなものを感じます。音声が立ち上がる時のアタック入力信号に対して忠実に追随して振動しているのだと思われます。
そこでこのスピーカーの構造を見てみると、成るほど、バスドラと同じような構造になっているではないですか。バスドラの振動板=皮は本体=胴体に固定接続されていて振動板=皮の中程をキックで叩いて振動を与えているのですが、このスピーカーも振動板は本体に固定接続されていてユニットの可動部分の先が振動板の中程に振動を与えている訳です。いわばこのスピーカーはバスドラをシュミレートしている構造になっています。正にスピーカーが楽器の様に音を出しているシステムとも見える訳です。そういえば、寺垣スピーカーの理論の説明ビデオでも「楽器は皆こうして音を出している」と言っていました。なんという偶然!
ところで、実はこのような衝撃波風なアタック感は実際の生のベースにもある事が後でわかりました。
というのも、これまで生ベースの音に衝撃波風なアタック音が含まれているなんて気が付きませんでした。というより、この事に気が付いている人なんて多分いないかもですが、さてある時、某会場で演奏リハーサルを見学している時に、ベースのピッキングの音がこのスピーカーと同じ衝撃波風なアタック音を出しているのに気が付いたのです。なんだか変な話です。録音された音をこのスピーカーで聞いて初めて生の音の特徴に気が付いたなんて。
ところで、音を再生している時のスピーカーの振動板は、高音の時と比べて低音の時、特にキックの音などの時特に大きく前後に振動しているのが見えます。つまり、振動板が前後に振動する距離は全周波数の録音レベルに対して同じではない事になります。
高音を再生する時に比べて低音を再生する時は同じ録音レベルでも振動板は大きく振動する訳です。これはもしかすると、高音と低音とでは、音を再生する時の振動板から空気へ振動が伝わる物理的原理が少し異なるのではないでしょうか?そしてこれは、低音のアタックが衝撃波風に聞こえる事と何か関係あるような気がします。
これについてはこれから追々考えてみます。
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マイルスディビス
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このスピーカーで聞いたジャズミュージシャンの中で一番インパクトがあったのがマイルスディビスでした。
実は私、マイルスディビスのアドリブはどこが良いのか今一良く分かりませんでした。確かに共演者は素晴らしい演奏をするし、CD全体の音楽は聞きごたえがするのですが、どうもマイルス自身のソロは音数は少ないし、まあ、シブイという考えもあるのでしょうが、もっとみんながやるような気の利いた華麗なフレーズをやった方がいいんじゃないかな?とか、使っている音も大体想像がつく得るところのないソロだなあ、とか思っていました。
がしかし、このスピーカーで改めて聞いてみたらなんと、マイルスのソロはキラキラと輝いて聞こえ、これは、ビックリしました。その理由はすぐに分かりました。ベースの音です。つまり、ベースの音とマイルスのソロの音とが一心同体となり絶妙に絡んで見事な音楽の世界を表現していたのです。
なあるほど、これですか!これで何故コルトレーンがあのような凄い仕事を成しえたか理解できます。マイルスのアドリブに触発されたのでしょう。このスピーカーでならば、それ程マイルスのアドリブには共演者にプレッシャーを与える強力なインパクトがあるのが聞き取れます。具体的にはベースとの間合いの取り方です。マイルスの間合いやノリは超シビアで、且つち密で、ソロ全体には一瞬の緩みもない緊張が支配しています。いかにコルトレーンがマイルスに負けまいとして必死になっていたかが分かります。
そして、念のため他のスピーカーやイヤホンなどで同じマイルスの曲を聴くと、ああ残念、やはり昔私が聞いたマイルスに戻って聞こえてしまいます。
皆さんも本当にそうなのか、このスピーカーで聞いて確認してみてください。特に以前の私の様に、マイルスのアドリブが早く終わってコルトレーンを聴きたい、と思っていたあなたへお勧めです。
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ジャズのノリ
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ジャズを習い始めたころ、ジャズのノリ、という事についてはいろいろ考えたこともありました。中には、本当のジャズはリズムをズラして乗るべき、とかうんちくを語る者もいたりして、そういうこともあるのかなあ?とか思ったりしていました。
しかし、このスピーカーで昔よく聞いたジャズを改めて聞きなおしてみると、99.99パーセントの録音、まあ、しいて言えば一枚だけ異なるのはありましたが、どんなミュージシャンの演奏であってもベースの刻むリズムに、ジャストに乗って演奏されているのが再生されています。
つまり、ジャズに小難しい特別なノリなんて無いのですよ。もう、ただ単にジャストに合せて演奏するしかないのですし、どのCDを聴いてもリズムの基本はベースが刻んでいてソロは勿論全員、あ、ベース以外の人は、がベースが刻む音の上にジャストでドンピシャリタイミングを合わせて演奏しています。
そう考えると、本当のジャズはリズムをズラして乗る、なんて考えが生まれたのは、今までのスピーカーでジャズを聴いていたからなのかな?という気がします。確かに、これまでのスピーカーだとベースの衝撃波を含んだようなアタック音は殆ど再生できていないので、ソロの人がベースにタイミングを合わせて演奏していることに気が付かなかったんだと思います。
フォービートベースの刻むリズムに乗ったソロは本当に気持ちよく胸に響いて聞こえます。正に、癒されます。
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歪
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このスピーカーは当初、歪振動スピーカーとしましたが、この「歪」という言葉を調べると、たわみ、ゆがみ、ねじれ、伸縮、回転、などの意味があり、これに対応する英語も、distorted、warped、irregular、crooked、elliptic、などとあり日本語と英語では微妙に違っているようです。しかし、日本語と英語で決定的に違うのは、日本語には、「歪」という色々な運動の種類を含んだ上位概念に相当する言葉があるのですが、英語にはそのような言葉はありません。ですので、「歪振動」」を英語で正しく表すには、hizumi-vibraition しかありません。
つまり、「歪」という言葉は日本語固有の言葉なのです。いかにも日本語らしい言葉ですね。なんだかわからない運動は全部、歪運動と言えてしまうのです。そしてこのスピーカーはそのようになんだかわからない歪運動を振動板に発生させる構造を模索してきました。
その中で過去のいくつかの横波発生システムや、それと同じような構造の振動発生システムを見ていくうちに、構造上共に共通するものに気が付き、それを具体的にモデルとして提示したのが、歪振動発生システム=ループ接続振動発生システムなのです。ですから、このシステムの振動板がどのような具体的な運動なのか、伸縮運動なのか、撓み運動なのかの物理数学的な解析を十分にはしていません。
もっとも過去の横波発生システムでも、どの様な物理的理由で横波が発生しているのかは説明がありませんし、それ以外のいくつかの横波発生システムと思われるシステムでも説明は見たことがありません。しかし物理的動作原理はさておいて、実際に横波発生装置が必要だったのでこのような発明、特許がある訳ですから、物理数学的な解析が確立していなくても、ある目的に必要な動作をする構造体を構築し、実際に世の中で活用される事はあり得るのです。(参考文献参照)
さてさて、そうこうしている中で偶然にある形態にすると急に音が大きくなることを発見したのです。この現象に気が付いてしばらくして、原因は構造にある事に思い至りました。そして、この発見をもとにシステムを構築したのがjazzmanのウーハー用の点駆動スピーカーです。
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しかしながら、この発見した現象の内容や具体的な構造については、特許査定済みですが、まだ動作原理の理論が確立していないこともあり、又、大変重要な事項ですので、現在のところはブラックボックスとさせていただいております。
参考文献
弾性波(横波)発生装置 特開2009-175122
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その後オーディオ界では「歪」という言葉はふさわしくないので必用以外は使用しないことにしました。
又、追加の特許が取れましたので、特許内容をメニュー「点駆動スピーカー」で開示しています。
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ループ接続振動発生システムは、楽器が音を出す原理と同じ
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従来の疎密波を発生するスピーカーは振動板が前後に往復運動します。これに対してループ接続振動発生システムの振動板は全方向へ伸縮運動を基本とする運動をします。
そして、振動板に良好な運動をさせるには十分な力を振動板に与える必要があり、これを実現するには振動板と発振体とをしっかりと固定接続する必要があります。
たとえば、バイオリンから音を出すには、黙っていてはバイオリンは音を出してくれないので、人間がバイオリンを持って弾く必要があります。つまり図の様に、バイオリン筐体をシッカリと肩と左手で支えて、弓もシッカリと右手で持ちながら弦をこする必要があります。もしただ単にテーブルの上においてあるバイオリンを弓で弾こうとしても、バイオリン本体が動いてしまい大変弾きづらいでしょう。
つまり、バイオリンから音を出すためには、「バイオリンの弦や筐体、人間の体、弓、など音を出すための主要なパーツはループ状に接続されている」必要があるのです。
この様にバイオリンが音を出すシステムをモデル化し、これを応用したのが、「発振体、可動部分、振動板、など振動を伝える主要なパーツがループ状に接続されている」ループ接続振動発振システムです。
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